アマゾンプライムで見た映画

アマゾンプライムで見た映画やアニメの紹介です。

七夕の国

七夕の国を読みました。早速ネタバレから入るので、嫌な方はここから先は読まない法が良い。

 

古代、日本のある東北の村ににUFOが来て、宇宙人と交配した。神主クラスの、その地を守る立場の人間は、空間を削り取る能力を授かった。村人は、その村から出ないように、強い土着心(その村への忠誠心)を植え付けられた。洗脳ですね。だから、戦国時代には外部からの干渉があったとき、空間を削り取る能力を使い、敵の大将を討ち、土着心の強い村人がそれに協力した。現代になると、レジャー会社や不動産会社がゴルフ場を作るのを阻止するために、その関係者を空間を削り取る能力で殺した。

宇宙人は、そこで王様になって過ごすための避暑地を作る気分で、忠誠心が強い人間(家畜)を作った。しばらくはそこに来ていたが、そのうち来なくなった。宇宙人がくると豊作になるので、祭りをして心待ちにすること数百年。村人は土着心を持ったままで、神主クラスは能力を持て余したまま生きてきた。しかし、ある神主は、二度とこない宇宙人に何百年も洗脳されたまま、どこへも行けなくなったことで、宇宙人に対するいらだち、モヤモヤを持つようになった。そこで、村から出て、外部の世界の要人を空間を削り取る能力で殺したり、建物を削り取ったりする。その行為は、宇宙人に対しての抗議のようなものだった。しかし、当然宇宙人は何も反応しない。というよりももう地球に来ていない。そんなもののために我々が「自由」を失い、縛られ続けるのはおかしいと思うようになる…。そういう話です。ラストは、空間を削り取るということは、その空間は異世界(宇宙人のいる世界)へ通じているのではないかと考えた神主は、ついに自らを削り取り、その空間に飲み込まれる。その後はどうなったか?その答えはマンガでは出ていない。神主は自らを削り取ったが、村の人はそのまま、変わらずに生活を続ける最後で終わる。天の川の彼方から宇宙人が来るのを待ち続けるのだ・・・・

 

 

マンガというのは典型を描くものが多い。とくに最近は異世界ものなんてその典型で、金太郎飴のようだ。この作者は異質で、マンガでは伝えにくいものをマンガで伝えるという荒業をやる方です。私は、削られた空間が宇宙人が住むところへ続くワープ空間であるというのは、ありえないと思います。それは外部から来る敵を撃退する武器でしかないでしょう。おそらく。